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むかしむか~し、ある所に負けず嫌いの兄弟がいました。兄は自営業、弟は会社員、二人とも良く働き、事実評判も良く、仕事は増える一方です。でも、人には限界があります、兄は回りきれない仕事を断らざるをえませんでした。弟は寝る間を惜しんで会社のために働き続けて行く事に疑問を持ち始めていました。でも、そんな悩みはお互いには話しません。弱みを見せたくないのです。なにしろ負けず嫌いだから。それでも兄は弟に、なんとな~く話を持ちかけて、自分の仕事へ弟を誘いました。弟もそれとな~くそれも良いかな、などと思いを抱き、会社を辞める事にました。すると思いもよら無かったことに、会社から仕事の依頼が来たのです。弟はどちらもこなしてやろうと考えました。なにしろ負けず嫌いだから。しかもそんな事情は兄にはろくに説明はしませんでした。(言わなくてもわかるっしょ)と思っていたのです。でもそれは兄には伝わらずに、兄から視れば俺の仕事なめてんのか、となってしまいました。そして・・・喧嘩になりました。なにしろ、二人とも話すべきことを(言わなくてもわかるっしょ)と思いがちなくせに言ってはいけないことや言わないほうが良いことは、ガッツリ口に出してしまう性質だからすぐ喧嘩になります。一人っ子で兄弟姉妹の居ない兄の嫁は、自分の夫が弟にたいしてなぜ、あんな言い方をするのか、理解できません。のほほ~んとした姉とやさしい弟を持つ、弟の嫁も、自分の夫がなぜ兄に対してこうも意固地になるのか理解できません。負けず嫌いの方向性がややおかしい二人なのでした。やがてその内、笑い話になるでしょう。だって、馬鹿ではないのだから二人とも。
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