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下山してスタート地点の車に戻り、
夕闇に浮かぶ富士山と河口湖の夜景を見た時、
僕の中で、ボブとの新雪の切ない思い出が、懐かしい思い出に変わりました。
何故なら、雪に埋もれて途切れていたボブの足跡が、
サニーに引き継がれて、5年余りの歳月を経て、
ようやく本社ケ丸につながる一本の軌跡としてつながったような気がしたからです。
稜線越しに見えた富士山は眩しく、鋭角な釈迦ケ岳はやさしく、
小雪が降る中で飲んだホットコーヒーはとても温かく、
何故か、まったく寒さを感じませんでした。
それにしても、サニーはパワフルでした。
ラッセル車のように新雪の中を駆け抜け、20メートルはあろうアイスバーンの岩場を
一気に登り振り返って僕を見下ろすその表情は、いかにも誇らしげでした。
どんより曇った空に、サニーの楽しそうな笑顔と逞しさが
印象に残るとともに、サニーから若さをプレゼントされた山歩きでもありました。
追伸)
ボブとの新雪の切ない思い出が、懐かしい思い出に変わってから、
ようやく世附川流域の西群馬幹線や佐久間東幹線の送電鉄塔群を
訪ねたい気持ちになり、その後、何度か訪れました。
今年の2月、この山域を、サニーを連れて訪れた時は、
金山沢は銀世界で、バラシマ沢の上流部もかなり雪がありました。
周囲は雪景色の山に囲まれ、空は白くにじみ、
僕らは山深き場所にいる、ということを教えてくれました。
それでも、バラシマ沢中流の小滝のそばで見つけた
ミツマタは白い大きな蕾をつけ、切通沢上流の陽だまりでは、
雪を押しのけてフキノトウが芽を出し、春の訪れが近いことを告げていました。
春さんより
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